レビュー 『ドラえもん のび太の恐竜2006』 / 『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』

2018年02月26日 08:00

1年ぶりのレビューです。

近頃は2Dアニメーションのディズニーばかり見ています。

そもそもディズニーも最近は3Dばかりで、3Dの参考とかショートムービーに2Dアニメーションは活躍しているようですが、

ディズニーの2Dアニメは生き残り的にはどうなんだろうと勝手に心配しています。
(これものちにレビューすると思うんですが、『アラジン』は最高でした…!)



その流れで『ドラえもん』を見直し始めてます。

大山のぶ代さんらが引退したあとの新生ドラえもん。

今までテレビシリーズすらまともに見てませんでした。

そこから大海に飛び込むように!ドラえもーん!



『ドラえもん のび太の恐竜2006』  (2006年作品)



はっきり言って、迷走していました。(※個人の感想です。)

ドラえもんが新しくなって、スタッフみんながどうしようどうしようという怯えというか畏れているのがお話の構成に出ているようでした。

ストーリーは初代『のび太の恐竜』のほとんどそのままだったし、ざらざらした「あ、手で書いてるんだ」という感じが良く出ている線画や

まるでかんだ後のチューイングガムのようにグニグニャ動くアニメーションに関してはむしろ昔よりずっと良くなってて、

子供たちに夢を見てほしいというところに到達できるように努力していることはとっても感じました。

しかしながら僕ももう大人になってしまったので(悲しいかな;;)素直に言いますと

もう少しストーリーに緩急がほしかったというのもありますし、1人1人のキャラクターに統一した雰囲気がなくて

みんな別のお話からやってきた感すらあったので、そこらへんがもっと良かったらなあと、思いました。

まあでも数十年続いてきたもののイメージを一新するなんて本当に苦行だと思いますし、

それを数年で形にしようなんて、そんなことはおこがましいことだと思います。

昔のドラえもんはもういなくて、僕らで何とかするしかない。

本当の冒険が始まったのだというのを、作っている人みんな感じていたのかもしれません。

そして新しいドラえもんは、ある意味で本当に「みんなのための」ドラえもんになろうとしているのだと思いました。




『ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜』 (2007年作品)



一転、こちらはもう大絶賛します…!!(ワーワーキャーキャーフーフー)

前年を踏まえたのか、上手い具合に昇華して戻ってきましたドラえもん!!

もう子供が見たらドキドキワクワクしまくりだったと思います。

タイトルはやはり初代を意識しての命名だったのだろうと思いますが、中身は全くの別物。

いい意味で今までのドラえもん映画らしさを壊した表現をしつつも

ドラえもんらしい細かなところは詰めない、でも抑えるところは抑えていくというざっくり楽しもうという雰囲気が終始漂っていました。

前回よかった線画やアニメーションはそのままでいてくれて、とてもよく動いてくれていましたし、

個人的には想像力を引き伸ばすには空間を歪めることがとても大きいと感じていて、

ドラえもんはそれを日常茶飯事的にやっていた(引き出しの中の時空間とか通り抜けフープとかどこでもドアとか)のを

今回の映画ではちゃんと活かしているように感じました。

今までの10倍増しで、のび太やジャイアンはめっちゃかっこええし、しずかちゃんやヒロインはめっちゃかわいい。

見た人にしか言えませんが、ちゃんと初代ドラえもんシリーズを見てきた人も喜べるようなキャラクターもいたりして、

もう『めっちゃわかってるわーさいこうやわー』と連呼したいくらいの出来でした。

むしろ今大人になってドラえもんを見たことで、子供たちが夢を見るには何が必要なのかというのを

逆に勉強させられたようにも感じました。

やっぱ大人が夢見ないとなーと気づかされたのと、夢ここにあったわというのをとても楽しく感じさせてもらいました。

いやあ、日本のアニメーションはまだ頑張れる。(もう10年前の作品だけど…。)

そう信じざるを得ません。




でもディズニーも2Dアニメーション頑張ってくれることを期待してます。(こっちも見ないとなあ)

おわり
(この後にそれぞれの映画レビュー点数をみたら僕と逆転しててうそぉってなりました。笑)


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レビュー「オリンポスの郵便ポスト」「ちょうちんそで」

2017年04月29日 23:22

こんにちは。ぷねおです。

はて今頃は、と思われた方はよくこのブログを読んでくださっている良い人です。毎度ありがとうございます。

前回のブログ通りであれば、今頃は福島のいわきで布団にくるまってるころでしょう。




予定は変更されたのです。



ので、出発は明日。ルートも予定の半分程度になりました。

やっぱ人生いそいじゃあかんよ。急がば回れ。まがればまがりみち。



まあまあそんななので、あいまのレビューです。

今回は二本立て。




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映画レビュー「百円の恋」

2017年02月03日 01:06

自転車はさておいちゃって、続けて映画レビュー。
「百円の恋」。

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正直なところ、周りほどの評価は出来ないかもです。
どう書こうか迷ってました。

僕の見る映画の傾向としては、あまり見ない映画ではあります。
薄暗い社会の片隅で、って前回の流れではないですが…(笑)
きっとあるんだろう弱者の世界というか、汚い世界。自分が平和だなあと思っているその裏側で起こっていたら嫌な世界。
飾り気のない舞台と、生活臭が纏わり付いている登場人物たち。
主人公から何から本当に細かいディテールで出来た雰囲気はあまりに現実的で汚くて、通り越して自分の生活と近い感じがしなくて、
どこか他人事と言うか、入りきれないところはありました。

でも、なんでしょうか。
振り返ってみると自分に近いところはある。
主人公は嫌なことを経験する中でボクシングを始めます。
鬱憤が彼女を成長させる、というには綺麗過ぎる、何が起きても迷いたくない気持ちがボクシングの動きに出ている気がとてもしました。

僕も自転車に乗ってます。
って言うのもおこがましいですが…(笑)
しかし実際のところ、自転車に助けられていることは多々あります。
嫌なことがあったら、何も考えずに乗る。というか考えたくないから乗る。疲れてても乗る。乗る乗る乗る乗る乗る乗る。
考えて考えて、考え抜いた答えが自分をぐちゃぐちゃにするなら
全てパワーにしてしまうほうが本当に効率がいいです。本当に(笑)


何も言わず怒りを一点にぶつける。


出来る限りずっと、日々の生活の中で迷い無く居たいのはきっとみんな同じのはずです。

何が自分を生かすのか。
これだったらあいつに負けないのに。
ぶちのめしてやりたい。

でもどこかで分かり合いたい。



それが人間だと、僕は思いたいです。


映画レビュー 「この世界の片隅に」

2017年01月21日 21:30

巻き込むことの責任。

見終わった後、じっくり考えてそんな言葉が浮かんできました。
映画「この世界の片隅に」のレビューです。

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今、巷で話題になっているこの映画ですが、
最初は全国でも20くらいの劇場で1ヶ月くらい公開されるだけだったのですが、
あれよあれよと言っているうちに、気付けば公開から2ヶ月が経ち、公開している劇場も瞬く間に増えました。

ちょうど公開日あたりでは別のアニメ映画「聲(こえ)の形」も公開が始まっていて、公開順にそっちを見に行っていたら
「この世界の片隅に」が延び延びになってしまって、ついこの前ようやっと見に行くことが出来ました。


これまで幾度と無く描かれてきたであろう太平洋戦争と、広島と原爆。
それをアニメ、漫画で描いたもので見たことがあるのは「はだしのゲン」や「蛍の墓」ですが、
「この世界の片隅に」はそれらの作品より、入り込むのにとても容易な雰囲気があります。
「はだしのゲン」は原爆の投下から始まり、孤児となった主人公が大きな現実と戦いながら生きる、
「蛍の墓」も孤児の兄妹がやはり現実を目の前に、維持を張ってでも2人で生き抜こうとする。

「この世界の片隅に」はそういった映画とはまた違った視点から描かれています。
主人公は小学校のクラスに一人くらいは居そうな少し想像力が豊かなのんびりした性格。何か強い信念を持つわけでもなく、流れるままに生きています。
世の中に対してほぼ抵抗ゼロです。絵柄も相まって見る側の抵抗も無く、癒しすら感じます。

主人公だけではなく、それを取り巻く人たちも世の中にあまり抵抗することなく生活をしています。
そんなキャラクターたちのすぐそばで、戦争は起こっています。
みんな戦争に巻き込まれながら、これが世間的に良いのだと思って
みんな協力して戦争を乗り切ろうとしています。

みんなが一緒に生きようとすれば喧嘩やすれ違いも起きます。
でもそれはごくごく一般的な、僕らの世界にも起きていることと同じです。
同じことが戦争時代にも起きていたということです。

僕は、この時代の人たちは戦争を天気のように思っていたのではないかと思いました。
光化学スモッグが起こる日のように、突然の雷雨に見舞われるように、異常気象で季節はずれの雪が降るように、
敵の戦闘機がやってきて、銃弾や爆弾を降らせていた。
そんな簡単な感覚だったように感じました。

僕らが時折テレビなどで見る記録映像としての、焦土と化した都市やきのこ雲や人々の焼け爛れた皮膚はとても強い衝撃を与えます。
でもそれらはあまりにも現実離れしていて、今現在の僕らの生活と繋がっているように思うには何かが足りませんでした。
しかしこの映画でその繋がらない部分が埋まっていくような感覚を覚えました。



そして日本は戦争には負けます。
それまで時代が選んできた「良いもの・こと」「良き人物」。それらは戦争に負けたことによって意味を成さなくなります。
では、それに流されてきた人はそれまで「良いもの」「良き人物」と思っていたことをどう再解釈すればいいのでしょうか。
僕ははっきりとした答えは出てこないと思います。
「良いもの・こと」「良き人物」は時代が変われば「嘘」に成り得ます。でもその時代に生きていた人にとってはそれは「支え」であったと感じるのです。
「支え」であったのならそれを簡単に「嘘」とすることは出来ません。それをしていたら自分が分からなくなるからです。




巻き込むことの責任。
実はこの言葉が浮かんだのは、映画を会社の人たちと見に行った後の夕飯の中で宮崎駿の話になったところからでした。

宮崎駿率いるスタジオジブリは2014年から映画を制作する部門を解体しました。
僕はその経緯とその後の宮崎駿の動向を紹介したNHKのドキュメンタリを見る機会がありました。
その中で宮崎駿はのんびりとコーヒーを入れて、引退を宣言した後も若い人たちと3DCGを使った新たな映像に取り組んでいる姿を見たのです。
僕はその姿に違和感を覚えました。
宮崎駿ほどの人が、なにのほほんとコーヒーを入れているのか。スタジオを解散したのになぜ新しい映像を作っているのか。
アニメーターがどれほど苦労して働いているのか、想像できない人ではないと思います。
それを知ってなお、業界を狭くするようなことをするのか。雇用を維持することが業界を生かすことになると思わないのか。
過去のテレビやネットを掘り返せば「長編映画を今までのペースで作ると出来るまで時間が掛かってしんどいから」と聞きます。
しんどいから止めるというのはどういうことなのでしょうか。ではなぜまた新しいことに挑戦しようとしているのでしょうか。
宮崎駿は間違いなく影響力の強い人物です。アニメ業界では頂点といってもいいでしょう。
そんな人が何を思って綺麗に終わらせようとしているのでしょうか。
僕らが宮崎駿の年齢まで生きて、綺麗に生ききることが果たしてどれほどの人が出来るでしょうか。

子供達のために作った自然豊かな幼稚園、人権・自然保護活動、全ては宮崎駿という強い人物像があってこそ意味を成していると感じます。
ではその宮崎駿を強い人物像たらしめているのは何なのでしょうか。



戦争も結局は強いものに巻かれた結果です。
巻かれた者は否応無く価値観を選択する機会を奪われていきます。

その流れに逆らえないならば、せめてその信念・強かさを誇れるような姿でいたいのであると、
この映画は語りかけているような気がしました。

またこれも、僕らが普通に生きるのに多少なり必要なことだと感じました。



ライフ・オブ・パイ

2016年02月07日 00:23

最近レビューばかりしか書いてません。ええ。
自転車はちゃんと乗ってるのですよ?ページ右のライディングログ見てください。ちゃんと更新されているでしょう?
はい、だからいいのです。映画レビューです。



これ


いいですね!!


久々に見ごたえがありました。

この映画はこの年末年始に実家に帰ったときにテレビでやってたのを最後だけなんとなく見たくらいで、
なんとなくは内容は掴んでるくらいでした。予告編とかで。
なんか主人公が漂流しちゃって、なぜかトラと一緒でそんな1人と1匹の共同生活。
そんな感じに思ってました。
どうせよくあるハリウッド映画でしょう?


全然違いました(笑)


確かに場面的にはほとんどが、1人と1匹のシーンなのですが、
予想以上に盛り込まれている要素が多いです。
その代表格が宗教思想。

僕ら日本人にはあまりなじみの無い宗教思想ですが(実際にはちゃんと日本には日本の宗教思想があるのでしょうが)、
割と直感的というか、分かりやすい映像として再現されているなと思いました。

勘違いしそうなので一応書いておきますが、別にこの映画が宗教映画だったと言うわけではありません。
この映画は冒険活劇です。その中にちょろちょろと見えてくるくらいです。
漂流すること、トラと一緒にいること、そういうことからなんというか人とか生き物とか自然とかそういうものをひっくるめた大きなもの、感じたのはそういうものでした。




ちなみに今日、自転車で90kmほど走った後見たのですが、
身体的に(精神的にも?)疲れた状態で見ると、前半ものっそい(ものすごい)疲れますおそらく。
心労が溜まる感じでした。
そのくらい作り込まれていた感じがしました。


勢いで映像特典のメイキングも通しで全部見ましたが、この映画は草案から完成まで4年の歳月がかかっているそうです。
海のシーンを作るために大きなプールを半年かけて1から作ったみたいです。
映画の製作会社はこの監督に、「あなたがちゃんと断るまで、監督候補はあなただけです。」と言ったそうです。
他にもトラの調教師やら、通常絵コンテ(映像を簡単な絵でコマにしたイメージ図)でするプレゼンを、10枚ほどの絵画で説明するためにアーティストに頼んで書いてもらったりやら、主人公をインドの高校から集めまくってみたりやら、
なんかものすごい熱意を感じました。
トラもCGとは思えないほどの作りこみでした。トラのCG、ぜひみてやってください。

土俵は違うとはいえ、近しいゲームグラフィックを担当する者として
この熱意には当てられるものがありました。
感動を与えるとはこういうことだと、むざむざ言われてしまった感じです。
すごいです。メイキングの中で監督が「観客にもこの映画を認めてほしい」と言っていました。
認めましょう。それに見合う努力が見えました。


言いすぎでしょうか。今日は饒舌な感じがします。
それでも、これはいい作品でした。



次回は来週、bb氏と200kmライドをしてくるので、その一部始終をご報告したいと思います。
ではではまた来週。






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