尾瀬

2010年08月01日 19:47

尾瀬(小)


記憶に残ってないくらい小さな頃から高校生の頃まで、
夏になると尾瀬の近くの桧枝岐(ひのえまた)村というところに家族でよく遊びに出かけていました。
泊まる先は、キャンプ場所有の茅葺屋根の古い小屋。
床の畳はデコボコしてて、戸はどこもガタガタ、泊まり客向けに小屋においてある釣りキチ三平には
バッタがぺっちゃんこに挟まって標本になっていました。
夜、一度目が覚めると戸の透明なガラスから何かがこっちをみてるんじゃないかと心配になり眠れず、
木で組まれた柱を見上げて、その奥の闇に怖くなって、必死に眠ろうとしました。

小屋は少しの高台に建てられていて、荒い石段を下ったすぐ先には小川があり、
買ってきた野菜や果物やジュースはそこで冷やしていました。
少し歩けばちょっと大きな川がありました。
昔そこで遊んでガラスの破片で怪我をしたと誰かに聞いたような記憶があるのですが、
誰が怪我をしたのかよく思い出せません。

少し大きくなって、夜玄関先の草むらへ小便をしに外に出たとき、空には無数の星々がありました。
本当に無数でした。星と星の間はぎっちりと他の星たちで埋め尽くされ、
星座がどの星で形作られているのかわかりませんでした。
天の川が本当にあるものだとはじめて知りました。その時はずっと上を見ながら小便をしました。

ある年は通年の時期とは少しずれて、9月下旬くらいに泊まりました。
その時はとても寒い思いをしました。
囲炉裏を囲んで暖をとっても鼻水が止まらず、確かティッシュが一箱なくなったような記憶があります。
その年はこの記憶しかありません。


ある年、近くを流れていたちょっと大きな川は舗装されて綺麗になっていました。
たぶんもうガラスで怪我をすることはないだろうと思いました。



ある年、その小屋は冬の間に降った大雪に耐えられず潰れてしまい、泊まれなくなっていました。
今そこでの思い出は全部、その小屋の建っていた土の下です。

潰れた翌年、小屋を見に行ったら
石段の途中にぽつんと、綺麗な薄紫と青のあじさいが咲いていました。





こんな思い出があります。
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