屍を越えてゆく、大磯にて。

2015年11月24日 01:35

自転車の大会にはいくつかの種類がある。
コース全般にわたって登坂するヒルクライム、
制限時間で決められた周回コースを走りその周回数を競うエンデューロ、
そしてその逆で決められた周回数で1位を競うクリテリウム。
(ロードレースという言葉はどこを指しているのだろうか疑問に思った…)

それは血で血を洗う仁義無き戦い。

大磯クリテリウム、参加しました。
http://walkride-cycling.info/oiso-c/



なんて怖い振りを付けてみましたが、安全に走れればなんてことはないレース(なんてよく言えたもんだ)です。
川口のアパートからでは大磯まで行くのにとても時間がかかるので、
前日はbb氏宅に招かれ、マッサーbb氏にマッサージを伝授されたり、
夜は11時ごろまで最近発売のゲーム「STARWARS BATTLEFRONT」を遊び倒し、
翌日は8時まで手裏剣戦隊ニンニンジャーを見て英気を養って出発。
(前回の7時半受付締め切りの日ノ出ヒルクライムとは違って、10時ごろまで受付しているのでそれが出来たのですが。)

会場は普段駐車場として使っているところを周回コースとしてカラーコーンなどで仕切り、
その中をぐるぐるとみんな走ってます。
そのほかには、B級グルメの横手焼きそばやイカ焼き、地元の和菓子屋さんやパン屋さんなどが小さな屋台を出していました。

その中にあったATHLETUNEの簡易店舗でbb氏に吊られて初回セットを買ったり、カレーパン買ったりして一息。
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受付と検車を済まし、先に始まっていた女子ビギナーを観戦などしてレースの流れを見つつ、
自分の出る回、男子ビギナー3組目を迎える。
レース開始15分前にさっきかったATHLETUNEを口に入れて、決戦準備。
(味についてエネルギーは普通だったが、持続力強化の方は確かにクセがつよかった。効果は結局最後までよくわからず。)

男子ビギナー2組目が終わり、コース脇に控えていた男子ビギナー3組目がどけられたカラーコーンを横にコースに入っていくのに付いていく。
スタート地点に着いてわかった。
前回のヒルクライムとは何かが違う。
開始1分前。
ピリピリとした緊張感が僕の周囲にいる人たちに感じる。その雰囲気に囲まれている。

「あ、だめだこれ。これはだめだ。こんなの早く走れない…w」

今振り返ればこの期に及んで何を言っているのかわからないが、思わず口を着いて出てきた言葉だった。きっと自分と言わず周りの緊張まで勝手にほぐそうとした気もする。
開始30秒前。
特に何も考えていない。とにかく走る。おそらく動画を思い出していた気もする。
もうスタートだろうか。



スターターピストルの発砲音が響く。
レースはスタートした。
パチリパチリとクリートをビンディングペダルにはめる音が連続する。
僕のすぐ左にいた人はすぐにはクリートをはめられず、後ろに後退していった。
ああ、この感じ。昨日動画を見ておいてよかったと思った。なんとなく次の流れがわかる。

この大磯クリテリウムは行って帰ってのカーブは2個。
(他のレースでもそうなのかもしれないが)最初の数周はペースカーが着く(バイクだが)。
クラスでペースカーの周回数が違うのだが、このビギナークラスでは1.5周。それが終わったらいよいよレーススピードとなり本番が始まる。全体では10周のレースだ。

カーブを3回曲がり、レーススピード。バイクのクラクションがその合図だった。
それはここに着いて見ていたレースでも気づいてなかったが、周囲のスピードが一気に上がることで「ああ、なるほど」という感じ。

数周をこなしていく。
カーブ手前10mくらいでブレーキ。キシリウムが悲鳴を上げる。
カーブをなるべく安定させながらもギリギリを保って曲がる。
カーブが終わったら、すぐにダンシング。スピードを持ち上げる。
ストレートでかなり前傾姿勢になりながら前方を走る別の選手の後ろについて脚を休める。

すべて初めてだったが、今まで見てきたこと聞いてきたこと走ってわかったことが総合してどうするか決めている感じがする。

ある程度して、後ろを走っていたであろうbb氏が僕の横を通り過ぎてそのまま上位まで出て行く。
普段はbb氏になるべく抜かれたくないと思っているが、このときは
「ああなるほど、どうせ1位になれないなら一瞬でも1位になって前方に誰もいないのを見ておくのも面白いかもしれない。」
そう考えていた。

今思えば明らかに楽しんでいた。
bb氏のそれを見て、そのあとの周回でまねて上位に出て行く。
しかし、すぐにカーブが来て減速してる間にほかの選手に抜かれていく。
自転車以外のレースではあまりそうではないらしいのだが、
自転車レースは基本的に休んだり攻めたりしてレースが進んでいく。前方を走る選手に隠れて空気抵抗を減らし、体力を温存できるからだ。
だから抜かれてもすぐにどうとは思わない。(さすがに最終周回が近いとそうは言ってられないが。)
冷静に繰り返し。
実際には何も考えていなかったが、あえて言うならばそれだ。
このカーブもこの数周のように。冷静に。

その時だ。

「うわぁぁあっ!!」
大きいのか小さいのかはっきりしない悲鳴と共に、ガシャンという音が僕のすぐ左隣から聞こえた。
落車だ。

レース前に主催者からライダースミーティングでも聞かされていたが、この大会は落車が多いという。
それは以前この大会に出たことがある友達からも聞かされていることだった。

「落車ぁああっ!!」
救護班の人だろうか、別の人の怒号が聞こえる。走っている選手は自分のことで精一杯だろうから言わないだろう。
僕は思わず後ろを振りむいた。
いや、厳密には横目の横目。視界に申し訳程度に入れたというのがもっとも正しい表現だ。
そうしたのはライダースミーティングで車体が不安定になりやすい後方確認の禁止を思い出したのと、
bb氏が巻き込まれてしまったのではないかという心配と、
すぐ左隣で転んだ彼はもしかして僕がハンドルを内側に切ったせいで転んでしまったのではないかという半ば罪悪感からだった。
そのカーブで僕はそれまでの数週と違ってデコボコしたところを走っていて車体を安定させようとして一瞬内側にハンドルを切っていた。

きっと誰が悪いわけではない。後になってそう思った。
落車を見たあともレースは続く。数秒後にはそのことはすっかり忘れて今までどおり前を走る自転車を追ってダンシングを開始した。


そのあとも落車する人が数人。カーブでタイヤが車体の傾きに対応できずスリップしたり、
カーブを終えてからの立ち上がりでフラついて落車する人もあった。

最終ラップの鐘が鳴る。
前を走る人のスピードもいっそう速くなる。
最後。
とにかくついて行く。抜けそうだったら抜く。
1個目のカーブを曲がる。ダンシングをする。そうだ下ハンがあった。
足があまり回らない。8周目あたりで上位に出たときに隣を走っていた人に「前行って前行って!!」と煽られたせいだろうか。
前の人と3~4m、間が空く。そのまま最終カーブ。
カラーコーン手前の1個目。カーブ終わった後すぐスプリントだ。
カラーコーン最後の1個。左手はそのあとのスプリントのため下ハン、右手はバランスのためブラケット。
カラーコーンに触れそうだ。
カーブが終わった。
スプリント。
足は相変わらずあまり回らない。
前を走ってた1人を抜いた。
あとは距離的に無理だ。


ゴールした。

まずは前を走っている人の人数を数えた。
そのあとは嬉しさも悔しさも何も無い、ただ「終わった」という感覚だけだった。
流すようにコースを一周して、用意された出口で各自転車に着いていた計測機を係員に外してもらってコース外へ出た。

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リザルトを見たら、結果は33人中10位でした。
一人DNFの人がいた以外はちゃんと順位が載っていたので落車したあとも走り続けたんだと思いますが、
目の前であんな派手に落車してそれでも走り続けようとする根性だけでもすごいと思えました…。
自分が落車したらどうするんだろう。ぜんぜん想像できない。

とにかく落車が多いと聞いていたこの大会。
たしかにそのとおりだったし、おそらく出続けるだけ落車に見舞われる機会が増えていくと思うので、
次は最低でも半年後にしようと決めました。

いやあ、楽しかったけどコレは怖い…w
落車に強い選手には落車をよくするとなれるようですが、それにはやはりそれなりの覚悟がいるようです。
機材が傷付いたりとかも怖いしね…。


そんなこんなレースをこなしたあとは、箱根に向かって走り出しお値段高めの温泉に浸かったのですが、
それはまた別の話。

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